十二天


梵天(天) / Brahma(ブラフマー)
【読み】ぼんてん
【別名】大梵天王
【住処】色界・初禅天

 万物の根源を表す神。インド神話の創造神ブラフマーにあたる。
 十二天としては天空守護に配される。
 釈迦が悟りを開いた際にその教義を民衆に広めるよう請うたとされる(梵天勧請)。
 仏教に取り入れられた後は、帝釈天と並んで最も重要な護法神となった。


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帝釈天 / Indra(インドラ)
【読み】たいしゃくてん
【漢訳】−
【住処】刀利天・喜見城

 仏教を武勇によって守護する神。インド神話の雷霆の武神インドラにあたる。
 十二天としては東方守護に配されている。
 早くから釈迦に着いてその説法を聴いていたとされ、梵天と並んで元も重要な天部である。
 インド神話では豪放磊落で奔放、また大変勇ましい戦神として語られ、古来最も人気者の神であった。


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伊舎那天(大自在天) / Isana(イサーナ)・Mahesvara(マヘーシュヴァラ)・Siva(シヴァ)
【読み】いしゃなてん/だいじざいてん
【別名】摩醯首羅天・自在天 他
【住処】欲界・四禅天・鶏羅山

 破壊の天神・大自在天の忿怒面を表す。
 十二天としては北東守護に配されている。
 サンスクリットの"Isana"は『支配者』の意で、インド神話の破壊神シヴァにあたる。シヴァは破壊神である他に舞踊の神であるともされ、また数多くの別名を持つ。


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火天 / Agni(アグニ)
【読み】かてん
【別名】火光尊・火仙
【住処】−

 四大天の一尊。智恵の炎で煩悩を焼き尽くす天神とされる。
 十二天としては南東守護に配されている。
 インド神話では祭祀火の化身とされ、火中に入れられた供物を天の神々まで運ぶ、人と神の仲介神であった。


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風天 / Vayu(ヴァーユ)
【読み】ふうてん
【別名】−
【住処】−


 十二天としては北西守護に配される。
 インド神話では風と雷を司る神であり、輝く馬車を御しているという。古くはシヴァの一面である暴風神ルドラや、インドラ配下の風神軍マルトとも同一視されていたらしい。


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地天 / Surya(スーリヤ)
【読み】にってん
【別名】−
【住処】−

 太陽を神格化した神。十二天としても、太陽に配される。
 インド神話の太陽神スーリヤにあたるが、古代にはスーリヤは光の女神サーヴィトリーとも同一視され崇拝されたという。 


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月天 / Candra(チャンドラ)
【読み】がってん
【別名】−
【住処】−

 月を神格化した神。十二天としても、月に配されている。
 インド神話の月神チャンドラにあたる。


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閻魔天 / Yama(ヤマ)
【読み】えんまてん
【別名】焔摩天・閻魔大王・閻羅王
【住処】奈落(地獄)

 地獄で死者を5番目に裁く神とされる。
 十二天としては、南方守護に配されている。これは閻魔天の守護する地獄が、、須弥山の南方にあるといわれるからである。
 中国では後に道教にも取り入れられ、閻羅王と呼ばれてやはり死者を裁く神仙とされた。
 インド神話においては、スーリヤ(ヴィヴァスヴァット)の子ヤマにあたる。妹ヤミーと共に最初の人間として生を受け、また最初の死者として冥府の王となった。


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羅刹天 / Rakshasa(ラークシャサ)
【読み】らせつてん
【別名】−
【住処】−

 破壊と滅亡を司る。人間に敵対する鬼神だが、仏教に帰依し教義の護法神となったとされる。
 十二天としては南西に配されている。
 インド神話における悪鬼ラークシャサにあたり、ブラフマーが作り出したとも言われる。


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